勉強法

2005 018.jpg 私は、知という単語の響きに快楽を覚えてしますのですが、お勉強が大嫌いなのです。できれば面倒な読書などしたくない。それでも何とかして、お勉強しようという気になる方法はないかと模索してまいりました。

 いい文房具を使うというのは、よく知的生活を営む上で云われることですが、私は物欲に餓えた低俗な人間だからでありましょうか、自分の愛する道具に金を使うことは、勉強の能率に私の場合、格段にプラスの機能を示しました。

 

私は読書する場合、まずお気に入りのPCを立ち上げます。PCには百科事典ソフトだけで五つインストールされており、その他、英語、ドイツ語、フランス語辞典、広辞苑、漢字源、大辞林現代用語の基礎知識10年分など、おびただしい数のお気に入りのソフトもインストールしており、ほぼ自分の興味範囲で調べられないものはないといってもいいPC環境を構築しております。当然、かなりの借金をしました。いくらか想像すると恐ろしくなるほどです。けれど、百科事典ソフトを其使して、興味が赴くまま知の探求をすることは楽しくて仕様がない。

 それから机上に自分のお気に入りのイタリア製のノートや、革のなめしが美しい手帳、めも帳、モンブランの万年筆、デジカメなど、お気に入りの道具を綺麗に並べていくのです。それら文具やカメラから芳る、クラフトマンシップは、私の物欲をくすぐりまくることになる。これで、読書の儀式に入る用意は整いました。もうお勉強したくてたまらない。お気に入りの一節があれば、すかさず上質な中性紙を使用したノートをひらき、モンブランマイシュターシュテュック149で抜書きする。これは私にとって、悦楽の境地なのでありました。

 さて、以前にご質問がございました研究会について触れます。私は小説購読の研究会に属しておりまして、かと云って小説書きたいなんて野望は遠の昔に消失しており、ではな造そんなディープなというか、きもい連中が集まる研究会に属していたかというと、そこの師匠から勉強法のコツをパクルためなのであり、もちろん聞くことはありません。どんな万年筆を使用しているのか、データベースソフトをインストールしているのか、そっと盗み見るのであります。それは懸命にその恩師の知的生産の作法を研究しパクり模倣しまくりました。

 上記した私の勉強法は、恩師からパクったものなのです。それだけ私は作品を生み出すエネルギーを持続させ、著作を生産しまくる恩師の姿・に敬意を払い、それには何か秘密があるに違いないと思いに到り、実際、恩師は知的営為のためのフォーマットというものを思想とよんでもいいくらに精緻に理論化しておったわけで、長く苦しい研究の道のり、また借金が膨大にかさんでいく過程でもあったが、しかしそのおかげで今は、お勉強が楽しくてしようがない。
全く後悔していない。

 自分のお気に入りの道具と共に学ぶ。もちろん膨大なコストはかかるのであるが、勉強が嫌いだけれども、やらなきゃならんというような方、試してみる価値はあるはず、かな?知的な作業に何の興味もない方には虚しく、馬鹿馬鹿しく思われるかも知れませんね。

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