知的表現法−書を買うことをケチるな!篇−

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 皆さん、勉強に必要な資料を図書館で借りることで間に合わせてるという方、或いは値が高いので、購入するのを見合わせたという経験をお持ちの方、相当いらっしゃるのではないでしょうか。私は、知を趣味として吸収するレベルにおいては、上記のようなこともあるのではないかと思いますが、研究といったレベルにおいては書に金をケチらずに買うことをお勧めします。というか買え!

 

 書を買い常に、文献を参照できる状態にしておくことは、勉強するモチベーションにも繋がります。日本の出版事情は、例えば社会学において必読書の類でも、売れなければ、直ぐに絶版なんてこと珍しくありません。ですから、書店なので本と出逢い、非常に気になる、なんか後ろ髪引かれてならないのなら、借金しても買いなさい。

 というよりも、破産すること意にも介さず、借金増やし、ひたすら知的表現へ向かう覚悟がなければ、ます一流にはなれない。私はフランスの文豪、バルザックを大変、尊敬しているのですが、彼もまた、書く、ただ書くことのために、借金して書を購入し、しかも、高級なモロッコ皮装丁を一流の装丁家に頼む。知的啓発のためにサロンに通うために、身だしなみにも金をかけ、サロンへ集うためには馬車がいるとの理由で、馬を購入する。書くことに何の関係もないように思われるかも知れませんが、バルザックは、全て書くために膨大な借金を抱えても贅沢三昧するわけです。いつも借金取りから逃げ回りながら、懇意にしている女と遊びつつ、そんな状況下でも書くことは忘れない。バルザックの膨大な作品の量は、膨大な借金のおかげなのでありました。

 私は、何か研究テーマが見つかったら、まず、そのテーマに関する書籍を買いあさります。こつこつ文献を集めて、長い年月かけて研究するのではなく、一気呵成研究してしまう。そうするには、一時期に大量の文献を購入して(どんどん借金が増えていくばかりですが)、やる気レベルを急上昇させ、一気に読む。書の読み方も違う機会に書こうと思います。それから翻訳が悪く、何をいいたいのか全くわからん翻訳書が非常に多い。たいてい、思想とか哲学の分野のものは、だめ翻訳である。その場合、原書を買いなさい。例えば原書がドイツ語で、ドイツ語に自信がないのなら、英語翻訳もかいなさい。そして、プラスだめな日本語翻訳と見比べながら読み進めていくのです。そんなに同じ本に金をつぎこみたくない、という、そんな、あなたは、おとうさんの日曜の趣味の読書的に知と関係するべきでしょう。

読書 001.jpgなにも部屋に生ごみためているわけではありません。ホワイトブラザフッド関係のテクストを書くために、全国から集めた神秘主義、カルト、宗教にかんする文献を梱包していたものの山です。日に数十冊単位で全国から文献が届くので、どうしても部屋がゴミの山となる。これでも大分ゴミを処分した後のものです。

読書 002.jpgルーマンの「社会システム理論」のドイツ語、英語、日本語版。

読書 003.jpg私はかなり以前に、意味学派を志したことがあり、まず、ミードが開祖となった、シンボリック相互作用論から極めることを決めたのであるが、その頃『精神、自我、社会』は青木書店の翻訳しかなく、これはかなりひどい翻訳であり、原書で読むことにした。その後、河村氏による翻訳も出版され、三冊読み比べながら一人、池袋のKFCにこもり、勉強した。遠い昔の蒼い思い出。周りはカップルばかりであったけれども、あの頃、何もない自分は、ただひたすらミードを勉強すれば何かつかめるのではないかと、暗い目をしながら読みふけっていた。結局、僕はあの頃の僕とそう変わりがないように思うのである。

読書 004.jpgボードレールの『悪の華』を研究したい。当時の書で『悪の華』を読みたいという気持ち。1861年に出版された、モロッコ皮装丁。これ一冊の値で一年間暮らせる。おかげでアドレナリンでまくりで、読みふけることができたが、さらに借金取りにおびえる生活となる。


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