システム理論は衰退するか?

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  ルーマンは60年代から書き始めていますが、日本において最初の翻訳が出たのは、80年代の後半です。そして、東北大学チームが翻訳を手がけ、90年に最初の大著『社会システム理論』が日本において出版されることになります。

原書の出版から10年かかりました。翻訳は、あまりいいものではなく、宮台さんなんかに影響されて、大金はたいてコロコロコミックみたいな分厚い『社会システム理論』上、下、勢いで購入されたほとんどの方は理解不能だったことでしょう。けれど『社会システム理論』の翻訳は、当時の日本におけるシステム理論研究の集大成だったのではないかと思います。今、振り返り読んで翻訳に文句をつけることもできますが、翻訳に携われた方々の労は、その後のルーマン研究の端緒となったはずでしょう。ここ最近、続々とルーマンの著書の翻訳が出版されている状況は、マイナーであった、ルーマンの理論への認識が変わりつつあるのでしょうか。それでも、翻訳されているものは膨大なルーマンの著書からすれば、ほんの一部に過ぎません。訳語の統一もされていないので、日本語でルーマンを読むであろう一般の読者は、その難解さに翻弄されるかも知れませんが、お困りの方は馬場さんの翻訳を参考にされるとよいかも知れません。ルーマンは学派を形成しませんでした。ルーマン亡き後、社会システム理論はどこへいくのでしょうか。

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