端緒としてのア・プリオリ

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 複雑性が議論の前提となっているけれども、その根拠はどこにもないではないか!との批判は頻繁にされるわけですが、その意味で、この批判に、さも有りなんと頷いた方は、申し訳ないが、あなたの知的レベルは極、ごく普通なものであります。

普通って何か儚すぎて哀れに想えてなりません。皆が普通に考える批判を、ああ、普通に思いついてしまった。けれど、おいらの批判どんなもんだい、なんてね気持ちやや、天狗。普通さに気がつかない天狗、己の普通さに普通に不憫に想えてきてしまう。どうせなら、めちゃめちゃ突出しているか、べらぼーにノータリンのほうが、僕はいいと思ってしまうのである。

 複雑性とはある対象の属性でなく、従って社会の記述や議論における前提でもないのですが、けれども翻って議論の前提としたとしても、僕は答えを遥か昔より用意しております。以下、説明してみましょう。

 コメント頂いた方の専門は哲学だそうで、そうすると、プラトンアリストテレス、カントもそうですね、理性/悟性という区別でもって観察されていることを観察することができる。理性は優れて上級なものであり、悟性はカントにとって原理についての認識ではなく、推論された曖昧な知識と見なされ、悟性は理性に対比して下級的価値が付与されております。即ち、悟性はア・プリオリに相当し、区別に基づいた観察の形式において、理性/悟性という区別から後者、悟性が指し示されたならば、ア・プリオリを出発点に議論することは、だめ、認めん、あかん、却下と即決独断してしまうのでありました。

 私は今、複雑性が世界の前提として考察していることに着眼してくださいね。前提であるから、確かに複雑であるという根拠は示されない。つまり、ア・プリオリなものとして複雑性を取り扱ってしまっている。カントやら、ドイツ観念論を少し読まれている方には、ア・プリオリはだめ、いけねえ、認めねえ、となる理由は上述していますね。

 それでは、ここで少し立ち止まって考えてみてください。何か議論やコミュニケーションを始めるにあたり、システムを創発する「端緒」となるものは、必ず必要になります。コミュニケーションシステムを例にします。まず「端緒」がア・プリオリなものであったとしても、それがコミュニケーションシステムの始点として機能し、後続するコミュニケーションが接続可能であるならば、、「端緒」がア・プリオリであっても全く問題ありません。例え「端緒」を支持するような合理性に乏しいとしても、システムの作動において、新たに区別しなおすことで、ア・プリオリに孕む不和は回避され得るからです。

 ア・プリオリとしての「端緒」は単にシステム創発の、トリガーの役割でしかない。後続するコミュニケーションが自己言及的なネットワークを形成するならば、ア・ポリオリは出発点として、システム創発に機能していることになります。再度、申しておきます。いいですか、端緒は単にシステムの出発点であり、大切なのは、後続するコミュニケーションの接続がなされるか否かなのです。なぜなら、これまた再度、申しますが、システムが連鎖可能ならば、区別しなおすことで、端緒を新たな区別でテーマ化し、容認も棄却もできるのだから。

 端緒は端緒にすぎない。しかし、ア・プリオリであった端緒は、システム創発に貢献し自己言及的なネットワークにおいて、ア・プリオリが吟味され参照されることで、結果としてア・プリオリはシステムの固有値になる可能性を包含していること忘れてはなりません。固有値とはシステムの作動の出発点として、「安定的」に用いられうる端緒のことです。ア・プリオリな前提も、正当性を得る可能性を包含しているわけです。

 さて、ようやく、ここから私の立場という本題に入れるわけです。これまでは、私とは異なる立場から社会記述できることを説明してきました。本題は「複雑性は前提ではない」ということです。すんまそん。本論に入るとなると長文になってしまう。そうすると他者に読まれる蓋然性が急速に低下することになります。誰が、所在の知れないものが書いた長たらしいテクストを読もうか!「複雑性は前提でない」とタイトルも内容も構成も頭にあるのですが、それを書く機会は次に譲ることにします。ああ、きっと書くから。書くと思うから。書けたらいいなあ、いいよね。

 ここでは、端緒としてのア・プリオリを既存の不の価値から開放し、脱構築できればよしとします。


追記:コメント頂いた方はその後、私が以前に書いたものを読まれたようで、難解な事柄を、ある意味、意図的に難解に書いているのですが、ご自身の解釈を熟考されたことに感謝します。コメントにはテーマとしておもしろいものがあるので、今後、利用させてもらいます。利用すると思う。利用できるかな。利用できたらいいなあ、できるといいね。

参照コメント:http://jibun.seesaa.net/article/11210458.html#comment

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